いろいろと騒がれていますが、まあ憶測とかそういうこと含めながらいろいろ交えて書いていきたいと。
概要
- Wii U GamePad に使われてる無線規格
- まとめ
1. Wii U GamePad に使われてる無線規格
電子説明書を見てもらえばわかりますが、Wii U GamePad は
無線LAN(Wii U GamePad接続用)
- 規格:IEEE802.11n
- 周波数帯:5.2GHz帯(W52・Ch36・Ch40・Ch44・Ch48)
- 空中線電力:約10mW
と書いてあります。そもそも IEEE802.11a/n (5 GHz) の日本における解放されているチャンネルを知っていますか? 次の通りです:
- W52: 36/40/44/48ch
- W53: 52/56/60/64ch
- W56: 100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch
ではなぜ、W52 しか GamePad は使えなくしてるのかな? とか思う人がいるでしょう。
それは、W53 や W56 では気象レーダーとの干渉を避けるため DFS *1 が必要です。これはストリーミングを通すのには不敵なチャンネルとなります。ということは W52 しか最適なチャンネルはないです。
しかし、W52 はたった 100 MHz [5150 - 5250MHz] しかありません。そうです、100 MHz です。通常 20 MHz (HT は 40 MHz, VHT は 80 MHz) を使うわけですが、そう考えると 4 チャンネルしかありませんから、8 台の GamePad があると最低でも 2 台は電波を食い合うわけです。しかも時分割で。
ということで、干渉しにくいように空中線電力を 10 mW という風にしてる気もします。
ちなみに W56 のみ屋外での使用を許可されており、ほかの W52, W53 は NG です。
2. まとめ
日本で 11ac を VHT で使うと W52 全領域を食ってしまう悲しい現状、つらいですね。自分の家、11ac 使ってるんですが、W52 に設定して使うんですけど、PC がめっちゃ通信してると Wii U GamePad の通信がおぼつかなくなる…
その程度の狭い領域しか電波ってないんですよ。だからこそね、もっと電波は有効利用してほしいなーって思ったりもするわけです。今の時代、高速通信って言われてますけど高速通信はこういう電波をめっちゃ食うわけで、いわゆる力技なところがあるので、そういうのは少しわかってほしいかな、と。
海外版の Wii U GamePad を調べようと思ったんですが、情報が出てこなくて断念しました。海外事情に合わせたってのがわかればいいかなーって思ってたんですけどまあなくても国内利用がほとんどなのでいいでしょう。
PS Twitter でこれ関連のツイートはしてたんですけど、一応軽く無線の物理層事情についてこれを気にまとめておくべきかと思ったので書きました。参考になればいいと思いますし、じゃあこうなるからこうしようと、厳密に物理空間の電波状況をシミュレーションして Wii U を配置するとか高度なことする人出てくると思うのでそれにはちょっと期待かな。
*1:Dynamic Frequency Selection; 動的電波周波数選択